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朝日新聞社が発行するPR誌「暮らしの風」にて、表紙を担当し動物のイラストを描いている中島良二さん。
今回、取材でもよく訪れるという動物園にてインタビューさせていただきました。





interview /text :湯川実千代(vision track)

湯川:『暮らしの風』では表紙イラストで動物を描くだけでなく、動物園の取材のお仕事までされていますし、PICTに掲載頂いている作品の中にも動物が多くあります。それは何か理由があるのでしょうか?   

中島:動物からは力強さ、恐さ、美しさ、かわいらしさ、はかなさ、哀しさ、まぬけさ、と言う様に色んなイメージを感じます。自分の描きたい絵というのはまさにそういったものであるので、描く対象としては、うってつけなのかもしれません。見る人によって、その描かれた動物が、楽しそうに見えることもあれば、さみしそうに見えたりもする、というのが理想ですね。
その解釈の幅が、見る人自身がそこに投影されているみたいで、おもしろいなと思います。といっても、動物が好きというのがなによりの理由なのでしょうけど。 





湯川:動物園で撮られていた写真も拝見させて頂きましたが、ナイスショットばかりでした。写真を撮る時もイラストを描く時と同じような感覚で撮られるのでしょうか?

中島:写真の技術的なことは分かりませんが、その被写体の一番魅力的な瞬間を記録したい、という思いは、絵を描く時と同じなのでしょう。基本的には資料用なので、あまり気にしなくていいんですけど、ついつい絵を描く時みたいに構図をとってしまったりもします。




湯川:今までイラストを通してしてきた活動で、一番印象に残っている事はありますか?

中島:以前に、亡くなったペットの絵を描いてほしいという依頼がありました。 生前の写真を参考に、絵を描きすすめるにつれ、自分にも、一度も会ったことのないその犬に対する妙な愛情が芽生え、すごく心のこもった作品に仕上がりました。出来上がった作品を依頼主にお渡しした際、依頼主は作品を見て、涙を流してよろこんでくださいました。この時、自分がやっていることは正しいことなのだと思いました。



湯川:作風についてですが、独特のタッチや色使いなどはどのようにして描かれるようになったのですか?

中島:特に意識して、作風をどうこうしようと思ったことは一度もありません。自分が好む絵を描こうとしたら、こうなったという感じでしょうか。シンプルになるようには心掛けていますけど。


湯川:絵を描く際、特別大事にしている事(こだわり)はありますか?
   
中島:何かを説明しようとしている絵ではなく、自分の感じたリアリティーを描きたいと思っています。形や色を壊しながら、それでいてなんか本物に近いなぁ、と思えるものを。例えば水色で描かれたゾウをよく目にしますが、「ゾウ=水色」という思いこみのような安直な記号は使いたくないですね。悲しい絵だから涙を流している、とか。それは自分にとって、とてもリアリティーのないものに思えます。あと、作品が皮肉や説教、メルヘンチックなものにならないようにしています。自分の好みではないので。


湯川: HPにある「20世紀の顔」で、色んな著名人の似顔絵を描いていますが、
   絵を描く上で影響を受けた人はいますか?

中島:小学校の卒業アルバムに『歴史に名を残す人物になりたいです』と書いていたぐらいですから、英雄や偉人というものに対する憧れが強かったのでしょうか。「20世紀の顔」はその現れかもしれません。絵を描く上で影響を受けたのは、意外と絵の世界の人じゃなかったりしますね。既成の価値観にとらわれず、新しくおもしろいものを作る人たちすべてです。そういう意味では、絵を描くという行為は表現の手段にすぎません。

湯川:制作環境としては、どのような感じでされているのですか?

中島:部屋の床に新聞紙を敷いて、その上で描いています。いわゆる子供の描き方です。当然、画材も床にちらばっています。机で描くと、どうも腕だけで描いてるような感じがするので。描く際あまりラフはせず、イメージが描きこぼれないうちにすぐ描いています

湯川:イラストを描いていて、悩みや葛藤はどんな時に出てきますか?

中島:絵を描いてて悩むというよりも、絵を描くことで、人間としての悩みや葛藤と向き合っている感があります。
  
湯川:なるほど、では向き合って描いている中で行き詰まったりする時もあるかと思いますが、そんな時の打開策は何かありますか?

中島:行き詰まる(?)と、絵に向かい続けてもロクなことがないので寝ます。次の日にサクサクッといくこともあるので。明日の自分に期待して寝ます。
湯川:5・10年後は、どの様な事をしているか何かイメージはありますか?
 
中島:まったく想像がつきません。生きている保証もありませんし。でも、その方が自分には向いているような気がします。不安はつきまといますが。


湯川:今後どのような活動をしていきたいですか?

中島:絵を通じて、いろんな分野の人と関われればと思います。今の気分で例をあげるなら、船や飛行機や鉄道といった、乗り物と関係のある仕事や、城・神社・仏閣と関係のある仕事をしてみたいです。具体的にどんな仕事かは分からないんですけど。 好きなんです、そういったものが。


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