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マンスリーピックアップ
毎月一人のアーティストにクローズアップします。

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01/30
かくたりかこ
pict gallely openingインタビュー
11/20
田嶋吉信
Do It Yourself!
09/25
中島良二
リアルな真実を描き続ける、その裏に隠された思い
08/21
河村ふうこ
映画「恋するマドリ」× 河村ふうこ
06/25
安瀬英雄
二次元に広がる三次元の世界
04/02
かくたりかこ
イラストレーターかくたりかこの進化論
02/08
奈路道程
自らの体現を、手の動きに任せて自由に描く
12/15
田中麻里子
女の子度200パーセント!!
11/15
長谷川ひとみ
大胆な筆先から広がるヴィヴィッドな世界
08/23
菅野旋
ボールペンから生まれる物語
07/14
テツロー・オーノ
モンステラ越しに描く、インテリアイラストレーター
06/13
宮島亜希
無表情の中にある表情や感情を感じてもらいたい
05/17
内田文武
肌鏡に写る刹那を描く、哀愁イラストレーション
04/14
chinatsu
鹿児島にいるからこその何か、東京にいないことの何か。
02/06
大橋美由紀
時代を超えて「いいね」って思えるものを描いていきたい
12/21
マツザワサトシ
絵にも好きな音楽や洋服の感覚を
11/07
中川学
聖と俗の視点でもっと自由な絵を
09/05
楠 伸生
旬のスタイルを生み出す自由な発想
08/06
ミカ
大事なのは女の子の周りの空気感
07/01
吉岡ゆうこ
本当に描きたいのは"ウィット"や"ユーモア"
06/02
福田透
徹底したこだわりが生み出すアートワーク
05/06
ジェイク
ロンドンのイラストレーターJAKeの仕事
03/28
西桐玉樹
画家が手掛ける内装「Panカンテ」
西桐玉樹のページへ


アジアンカフェの関西における草分け的存在「カンテ・グランデ」が展開するパン屋さん「Panカンテ(大阪マルビル地下)」。その装飾一式を手掛けた画家の西桐玉樹さんと、オーナーの井上温さんに制作当時の様子を「カンテ・グランデ中津本店」で伺いました。
*作品展レポートでも店舗装飾の写真を紹介していますので併せてご覧ください。
interview:hitomi nishio(visiontrack) text&photo:yuko takeuchi(visiontrack)

西尾:まず最初に、西桐さんは今回取材をさせていただいたPanカンテだけでなく、中津にあるカンテグランデの内装の仕事も手掛けられたり、またカンテグランデでは個展を開かれたりなど、カンテさんとのお付き合いは長いようですが?
西桐:10年くらいかな?
井上:そんなにたってないやろ。カンテグランデができてからまだ10年も経ってないし。
西桐:じゃあ、7、8年かな?グランデのギャラリースペースが出来たときに、最初に僕が個展をさせてもらったから。

井上:内装の仕事をお願いしたのは、Panカンテの前身だったカンテTeasっていう店の時です。そのTeasを始める時に、普通のカフェだとあまりおもしろくないなと思っていたんで、「西桐さん、描いてよ」って頼んだんです。その時は、西桐さんが描いてる横で、僕はヴェルディのレクイエムとかをガンガンかけて、こんなイメージで描いて下さい、と言ってました。一日に50点も描いてもらって、「けんしょう炎になったー」って、西桐さんは言ってましたけど。
西尾:50点とはすごい点数ですが、作業はどのように進められていたんですか?
西桐:そうですね。壁画については、お客さんがいる時間帯には描けないので、営業時間終わってから、翌朝営業が始まるまでの間に描いてました。毎日ちょっとづつ絵が増えていって、壁画が出来ていく過程もお客さんに楽しんでもらおう、という井上さんの発想です。アクリル絵具を使っていたので乾くのも早いし、そういうふうに作っていったんです。あれはあれで、おもしろかったです。
井上:当初は普通の壁だったんですけど、なんやおもろないなと思って、まず僕が自分で描いてみたんですよ。そしたらとんでもないような店になってしまったんで、本職の方にやり直してもらったら、今度は薔薇の花とか描かれてしまって、次の日にすぐ消してしまった。
西桐:すぐ消されたらどうしようとビクビクしてましたよ。
井上:それはないよ。(笑)
西尾:西桐さんにお願いすれば間違いない、というわけだったんですね?
井上:間違いないってことではないけどね。一生懸命やりすぎて失敗することがあるのも知ってるし。
西桐:・・・・・・(苦笑)

井上:でも、こんなかわいいの描かれへんでしょ、なかなか。
西尾:かわいいです、私も大好きです!では、Panカンテは何をテーマに依頼されたんですか?
井上:そもそもPanカンテは、カンテTeasという店があまりうまくいかなかったので、パン屋に変えちゃえ!ってことで始まったんです。それで、Teasに引き続き、内装はやはり西桐さんにお願いしました。今度は「パンに合うようにして下さい」っていうことで。依頼といっても、その程度かな。そうしたら西桐さんがまず“パン天使”っていうキャラクターを考えだしてくれました。ちなみに店の袋も“パン天使”が描いてありますよ。
西尾: “パン天使”は即採用だったのですか?
西桐:即、ということはないですね。一ヶ月くらいかけて、店全体のイメージを大量に描いて、それを「こんなんできましたよ」ってことで見せて、その中から反応があるものはもっと詰めていって、という作業です。だから、“パン天使”だけでも何十枚下絵を描いたかわからんくらいです。
井上:“パン天使”は単純なだけに、微妙なところで可愛くなったり、恐くなったりするんですよ。だから、たくさん描いてもらいましたね。
西尾:店内に置かれている西桐さんの作品は、Panカンテにリニューアルした際にすべて入れ替えてしまったのですか?

井上:Teasの頃のものもだいぶ残ってますよ。壁画もTeasからそのまま使わせてもらってるし。Teasか、Panか、どっちの作品かを見分けるコツは、可愛さかな。可愛いのは大体Panカンテ。そんなふうに、西桐さんの作品を色々と見れるのは面白いと思いますね。
西尾:椅子にも絵を描かれていますよね?
西桐:ああいうのはたまたま作業中に塗料をつけてしまって、「これはヤバイ」って感じで「じゃあなんか描いとこ」ってやったんですね。
西尾:照明も西桐さんが考えられたんですか?
西桐:そうですね。照明は、私が考えるシャンデリアです。Teasのときに作ったんですけど、そこから何年か経っていたんで、パン屋さんに合うように手直ししました。
西尾:タイル画もかわいいですね。
井上:これは、たまたまタイルがいっぱい余ってたんですよ。それで、工事の人にもらったんです。最初は、僕はタイル画なんて思いつきもしなかったんですけど、西桐さんがなんとなく描いていったんですよ、タイルにばっかり。それで、額を用意して、そこへはめ込んでできたんです。
西尾:他に、西桐さんが工夫されたところや気に入っているところを、教えて下さい。

西桐:それを工夫というのかは分からないけど、カンテTeasの制作のときは、喫茶店ということだったから、お茶というものは運ばれてきて、お客さんが飲むとなくなってしまうものですよね。でもパンの場合はできたものの販売ですから、あくまで主役はパンということなので、ちょっとおとなしく作ったかな。まぁ、パンがおいしそうに見えるし、可愛いし、いいなぁって思ってます。
井上:本当にパンとよく合ってると思ってます。だから、Panカンテは気に入ってますね。ただ場所がね、パン屋さんとしては引っ込みすぎてるかな、とは思いますけど。
西尾:でも、私が来る時はいつも満席になっていることが多いですよ。
井上:そうですか。じゃあ、もっと広かったらよかったかな。
西尾:Panカンテのような雰囲気のパン屋さんは、ちょっと他にはありませんからね。
井上:Panカンテは、Teasの雰囲気とちょうど混ざりあって、よくなったと思ってます。Teasの時は、やっぱりヴェルディの音楽になんかあわせて作ったから、ちょっと重かったかもしれないな。
西桐:それから、Teasを作った頃は、僕がヨーロッパから帰りたてやったから、そういう空気がそのままが焼き付けられた感じが強かったんだと思います。

西尾:たしかに、Panカンテは、可愛さと絵画的な重さがうまく混ざり合っていますよね。
西桐:こうやって写真になったん見ると、また違って見えてくるね。
井上:Panカンテの方が、店らしくなったってことかな。
西桐:可愛さも増えたし、Teasの時よりも、Panカンテにやり直した方が気に入ってはいるんですけど、でも正直なところ、制作してから2、3年経たないと、客観的に見ることが出来ないんですよ。
西尾:完成してから2、3年ですか?
西桐:見れる時もありますけど。ある程度、時間を置かないと見れないですね。
西尾:それは他のお仕事の時もそうなんですか?
西桐:ものによるんですけど。こういうの(Panカンテの写真)を久しぶりに見ると、ああ、ここはこう考えたのか?などと思うんです。
西尾:これは、どれくらい前のお仕事なんですか?
井上:2年前くらいかな・・
西尾:なるほど。今、ようやく見れる時期、ということかもしれないですね。
西尾:では最後に、今後の活動として現在考えていらっしゃることはありますか?
西桐:現実的なものとしては、この3月中旬頃から、茨城県の水戸市でアンテークピアノ屋の内装をやります。僕はクラシックとか好きなんですけど、依頼主さんは若いけど有名な調律師さんで、以前は大阪BlueNoteの調律とかしてた方なんです。今は地元に帰られて、今度アンテークピアノの店をやるっていうことで。店内の壁画やカウンター等を制作する予定です。
西尾:そういうお仕事の時は、内容も西桐さんが考えるのですか?
西桐:そうですね。そういう形じゃないとできないのです。まぁ、とんでもないピアノ屋ができると思いますよ。
井上:ピアノも塗るのですか?

西桐:そうですね。古いグランドピアノの天板とかを分解して、絵を描いてみたいなぁ等と思っています。
井上:だけど、そんなピアノあったらいいねぇ。僕の家にもピアノあるけど、ピアノってぶっさいくでしょ。部屋を壊すよね。
西桐:そう。きっと依頼主さんもそういう提案も含めてしたいんとちがうかな。なんで、ピアノは仏壇みたいな黒じゃないとあかんのか、っていうね。
井上:僕のはウォールナッツの色やけど、あれも仏壇みたいやもんね。
西桐:たかが楽器やのに、えらっそうすぎる。
井上:そうそう、もっとかわいくしたらええのに。
西桐:プレーヤーによってかわいいのとかあってもいいですよね。クラシックは別としても、有名なロックの人とかも、オリジナルのヘンテコなピアノとか弾いてないもんね、今。
井上:でも、そんなんしたら、音が変わってくるんとちゃう?ピアノならまだしも、ギターとかバイオリンとか。
西桐:エレキならいいんちゃう。

西尾:まだまだお話を伺いたいところですが・・・。今日は楽しいお話をありがとうございました。本当に楽しかったです(笑)。
井上:こんなんでいいやろか?大丈夫?
西桐:ええんちゃう。

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