この春、コンビニにニューフェイスの登場です。資生堂「化粧惑星」がリニューアルに伴い、chinatsuがパッケージのイラストレーションをてがけました。「いつでもハッピー」をキーワードにとても素敵な仕上がりとなりました。コンビニへ立ち寄った際には、ぜひお手にとってご覧になってみてください。
今回のインタビューでは、その制作過程や、鹿児島で活動される由縁を伺いました。
interview & text 藤間保弘
藤間:化粧惑星のお仕事おつかれさまでした。すごく素敵なパッケージに仕上がりましたね。このお仕事がきまったときのお気持ちなどお話いただけますか。
chinatsu:「夢のようでした」いや、ホントに、夢の出来事のようで・・・。実はまだ、コンビニで並んでいる風景を見ていないので、実感がなかったりします。何をかくそう、私は米澤さんのファンでしたので、その気持ちはなおさら・・・。あのカワイイ女の子を表現する米澤さんの次に私が登場していいものか、今でも不安がありますし、その真逆な喜びもあります。また、資生堂さんとの仕事というのもとても嬉しい事でした。嬉しいことだらけで、「夢なら醒めないでほしい」未だにそんなことを思っている感じです。
藤間:制作していく過程での苦労などはありましたか?
chinatsu:自由に描かせていただいた感があるので、苦労はあまりありませんでした。敢えていえば、「可愛い女の子の気持ち」になるためにテンションを上げるのに苦労したような・・・。ただ、制作にあたっては、PICT-WEBの小島さんのアドバイスに大変助けられました。なぜなら、私はこのところ、このての女の子をあまり描かなくなっていたからです。小島さんの一言がなければ、今はないかと思います。
藤間:イラストを描く上での特にこだわった部分はどんなところでしょうか?
chinatsu:「女臭さ」です。世代は幅広く、「女性」を感じさせるイラストレーションを表現したいと思っていますし、それしか表現できない気がしています。女性の強かさ、もろさ、せつなさ、可愛さなど、心情まで含んだ形で表 現できればと思っています。それは女性という形だけでなく、物や形を含めた、空気感とかそういうところまでです。
藤間:なるほど。そのようにしてあのイラストは生み出されたのですね。
chinatsu:メグホソキさんや唐仁原さんのように、タッチも幅広く、それであってもその人を感じるイラストレーターに憧れています。まだまだこだわりを語るほどの深みのあるイラストレーターにはほど遠いと思っているので、これから努力してそれを掘り下げていきたいと思っています。
藤間:唐仁原さんのお名前がでましたが、先日されたグループ展「
クロニクル展」でもご一緒されてましたね?大寺さんもいらっしゃいました。
chinatsu:大寺さんとは、かれこれ6年くらいのおつきあいです。きっかけは大寺さんや唐仁原さんが所属している九州会の展示を福岡で見て、その後大寺さんにメールを出したのがきっかけです。「ぜひご指導を!!」そんな内容だったと思います。しかしながら大寺さんは大変気さくな方で、そんな突拍子もない私を妹 のように可愛がってくれました。おかげで、大寺さんを通じて唐仁原さんにお会いすることができ、作品 を見てもらい、今回のような展示会にも参加させてもらう事ができました。大寺さんとは、現在も変わらずとてもいいおつきあいをさせていただいています。お家のほうにもよくお邪魔させていただき、時にはともにお酒を飲み、絡んだりしています(私が。笑)。師匠であり、素敵なお兄様であり、今の私があるのは大寺さん抜きでは考えられません。そういう存在です。ちなみにといってはなんですが、唐仁原さんとは今回の展示でとても身 近な存在となりました。同郷であるよしみでしょうか、とても可愛がってくれるのです。これは九州人のいい意味での癖かもしれません。
藤間:鹿児島で活動されることに関して、メリットやデメリットを感じることはありますか?
chinatsu:イラストレーターになることを決意した時から、東京の出版社には、何册もファイルを送ったり、HPからの発表をしてきました。それをきっかけにお仕事をいただいたりしてきたので、「もしかしたらこの方法でも大丈夫かもしれない」という想いはありました。しかし数年前、直接東京のデザイン事務所などに売り込みに出かけた際、やはり直接打ち合わせできないこと、人と人との直接のコミニケーションから生まれる大きな何かができないことを感じ、デメリット感を強く感じたりもしました。また、東京の主要な場所での個展などが大変というのも、デメリット感 を感じます。しかし、鹿児島には大寺聡さんという、そういうデメリットを克服し、活躍されている大先輩がいらっしゃいますし、なにより、PICT-WEBとの出会いが私の中にあったそういった不安を、ここ数年でぬぐい去ってくれました。私のモットーは「場所にとらわれない、バイタリティに富んだイラストレーター」です。鹿児島にいるからこその何か、東京にいないことの何か、そういうものが私の中にはきっとあると思っています。たぶん現在のような仕事のやり方は、10年前では考えられないと思います。でも今は、通信手段がかなり進歩し、インターネット上では、人とのコミュニケーションに距離感を感じないほどになって来ています(それにもメリット・デメリットはあるかと思いますが・・・)。宇宙から見たら、東京と鹿児島の距離なんてわずかなもの。それを考えるより、まずは腕をさらに磨く事。学び、感じる事。それが大事だと思っています。
藤間:イラスト以外になにか好きなことはありますか?
chinatsu:う〜ん悩みます・・・。というのは、私は日々、イラストに関連する事しか考えていないからです。
私のイラストは人物が中心です。そのため、それに関連したファッション雑誌は大好きです。また、「人間臭さ」を表現できればと思っているので、そのての映画も大好きですし(特にヨーロッパ系のものが好きです)。
それ以外にも、このところは無機質なものを描くのが楽しくなってきました。たとえば建物、乗り物など。そのてのものが載っている写真集や絵本を見るのも大好きです。もちろん、イラストを描く時間は心地よく過ごしたいと思っているので、いい音楽は欠かせません。特にジャズ系、ボッサ系が好きですし、クラシックなど、五感に心地よい物は極力取り入れるようにしています。ということで、イラスト以外の事は広く浅くであり、突出したものがない気がしたのです。でも、せっかくの質問です。考えてみる事にしました。うーん、なんだろう?そーだな〜・・・好きな事?楽しい事?私の楽しいと思う時間は・・・・
藤間:ゆっくりお考えください(笑)
chinatsu:そうですね〜・・・。私の好きな事は「気の合う仲間とのコミュニケーションの時間」でしょうか。ここ鹿児島は、比率からしてクリエーター人口はもちろん少ないです。そのおかげといったらなんですが、広い意味でのクリエーターと出会う機会に恵まれます。Gテザイナー、コピーライター、絵本作家、服のデザイナー、音楽家、芸術家といわれる人など・・・。そんな方々と、共に飲み語ること、コミニケーションすることが私の大好きなことなのです。そうです。私は鹿児島人ですからといったら語弊がありますが、お酒も強いです。ビールは飲めませんが、焼酎はがんがんいっちゃいます。(人並みに酔っぱらいますが)そして、ともに笑い、熱く語ったりするのが大好きなのです。(なんかまさに九州人という感じでありますが・・・) ということで、コレが私の好きな事なのであります。