大阪は南船場、昭和5年に建てられたレトロなビル・農林会館の一室に事務所を構える寺田順三。そこではハンドメイク職人さながら、1つ1つ息を吹き込むかのように彼の手で作品やオリジナルグッズがつくられています。その工程にはプリントゴッコ、カラーコピー、MACといった機械が用いられます。そう言った機械を、(普通は時間短縮だったり、便利だと理由で用いられるのでしょうが)どちらかと言うと手のかかる作業法で、古い印刷物の雰囲気を創り出しています。ある時事務所を訪ねると、オリジナルグッズのひとつであるウクレレに何本もニスを縫りながら、「大変なんです。」と言う彼は確かに大変そうではありました。しかし、彼の作品はひとつひとつ大事につくられるからこそ、見る人にやさしさとして伝わり、懐かしい気持ちにさせ、大切な記憶を引き出していくのでしょう。