昔ながらの商店街にぽつんと佇む元食堂・圓津喜屋。戦前
からの店名も外観もそのままに、この春、書籍出版事務所・
画廊として再生しました。絵本『王さまがいっぱい』の処女
出版を記念し、奈路道程作品展を3月11日〜18日まで開
催しました。 以下、そのときのごあいさつです。


圓津喜屋へようこそ!

 ここは戦前はまんじゅう屋でした。
戦争中は、お客さまが持ってこられる小麦粉をかまどで焼いて
パンにしてあげたり、、、戦後は食堂に。おじいさんは、板前
さんがかぶるような白い帽子と前掛けをいつも身につけていて、
玄関のU.S.A.の大時計と同じくらい名物でした。カラーテレビ
が発売になるやいなや、息子の電気店からいち早くとりよせて
店頭に置き、大相撲の中継が始まると道行く勤め帰りのひとが
見やすいように道路側に画面を向けるのでした。そして、本人
は自慢そうに腕組みをしてテレビの横に立って、画面に見入る
ひとたちをながめて悦にいるのでした。その名物おじいさんが
亡くなってから20年間、店は冬眠していました。
 そしていま、弥生の春の店に絵や本がならんでいます。大切
な仲間たちの丹精の結実です。その元気を感じて、ゆったりと
した時をあじわっていただければ、店もわたしたちも幸せです。
 今日はおいでいただき、ほんとうにありがとうございました。
またのお目もじをたのしみにいたしております。


                  えんづきや 紺谷充代