私事ですが、今から遡ること10年前、まだ学生だった頃からずっと通読している雑誌があります。
それは『Meets』という街遊びのための(関西圏の)情報誌で、徹底した大人なスタイルがあり当時
居酒屋しか知らなかった私に大人な本物のお店を教えてくれました。そして、その雑誌の表紙を飾る
イラストを描かれていたのが、今回、特集させて頂いた奈路道程さんだったのです。
その作品は素人目にもツボを押さえきった、タダならぬ雰囲気を感じさせました。そして『Meets』
のスマートな誌面づくりから連想して、まだ見ぬ奈路さんのことをきっとスタイリッシュな街遊びの達人
と思いこみ、憧れの人としてずっと存在していました。
時を経て今の仕事を始めてすぐのこと、知人からの紹介により奈路さんにお会いする機会がやっと
訪れたのです。緊張しドキドキしながら奈路さん宅へ向かったのですが、そこで初めて見る奈路さんは
それまで勝手に抱いていたイメージをあっさり裏切るような『硬派で大人な男』だったのです。
そしていろんな作品を見せて頂いたり、話をお聞きする内にタダならぬ雰囲気の本当の訳が序々に見えてきました。奈路さんの作品というのは時代の空気感を読み解き正確に絵としてフィードバックしていく
だけでなく、自分が実際に見て、聞いて、感じたことの蓄積を思い通りに描けたり、描けなかったりしながら一枚の絵として完成させていくという、とても人間臭いものだということを知りました。
そうして奈路さんの作品の本質を知ることで、表面的なことではなく本当の意味でのかっこよさを知る
ことができた気がします。
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